こんにちは!「オービット通信」編集長です!
皆さんは「レールガン(電磁砲)」と聞いて、何を思い浮かべますか?アニメや映画の兵器? 遠い未来のSF兵器? ……いいえ、実はこれ、「現実に存在する日本の兵器」なんです!
2023年10月、日本の防衛装備庁は、「世界で初めて、レールガンを船の上で撃つ試験(洋上射撃試験)」に成功しました。あのアメリカ軍で実現できなかった技術で、日本が一歩リードした瞬間です。
今回は、火薬を使わずにマッハ6で弾を撃ち出すこの「未来の兵器」が、一体どういう仕組みで、日本の防衛をどう変えるのか? 解説していきます!
そもそも「レールガン」とは?
レールガンは、従来の銃や大砲とは根本的に仕組みが違います。
・従来の大砲: 「火薬」を爆発させて、そのガス圧で弾を飛ばす。
・レールガン: 「電気」と「電磁力」の力で弾を弾き飛ばす。
理科の授業で習った「フレミングの左手の法則」を覚えていますか? 2本のレールの間に電気を通すと、強烈な磁場が発生し、その反発力(ローレンツ力)で弾が発射できます。 火薬の限界を超えたスピードが出せるのが最大の特徴です。

レールガンの3つのメリット!!
1. 迎撃不可能な「極超音速」
レールガンの弾丸の速度は、なんと約マッハ6(秒速約2000m)以上。 ちなみに海上自衛隊の主砲「Mk45 5インチ砲」だと秒速約800メートル。差は圧倒的です。レールガンはあまりに速すぎるため、敵は発射されたことに気づいてから避けることも、迎撃もほぼ不可能です。この利点を活かして、最近脅威となっている「極超音速ミサイル」を撃ち落とすための迎撃兵器として期待されています。

2. コスパ最強!「電気代」だけで撃てる
迎撃ミサイルは1発で数億円〜数十億円もし、数にも限りがあります。 しかしレールガンの弾は「ただの金属の塊」なので非常に安く、動力は船のエンジンで作った電気です。 ドローンなどが大量に押し寄せてきても、電気さえあれば「安く、何度でも」撃ち落とすことができます。
3. 射程が長い
火薬の大砲よりも遥かに遠くへ届きます。 遠くの敵艦を狙い撃つだけでなく、安全な場所から敵の拠点を叩くことも可能になります。
実用化への課題「耐久性」と「電力」
いいこと尽くしに思えますが、実用化にはまだ高いハードルがあります。
1.砲身が摩耗する
凄まじい摩擦と熱が発生するため、レールがボロボロになってしまいます。現在は120発の連続発射に成功しているので改善しつつあります。
2.レールガンの電源
電源を船に搭載できるよう小型化する必要があります。また、実戦に対応できるように急速充電化できなければなりません。防衛装備庁は、民生の先進電源技の育成・活用で解決しようとしています。
まとめ 近いうちにSFが現実に。
課題は多いものの、日本は「材料工学(素材)」の技術、バッテリー技術は世界トップクラスです。 摩耗に強いレールを開発、電源を小型化し世界に先駆けてレールガンを実用化する日はそう遠くないかもしれません!!!
かつて空想だと思っていた兵器が、日本を守る「盾」になる。 そんな未来の技術に、これからも注目していきたいと思います!


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