こんにちは。パスカルです。
(12月26日)、政府が「令和8年度(2026年度)予算案」を閣議決定しました。 防衛費は総額、9兆353億円。なかでも注目していた防衛省の無人機防衛構想「SHIELD」の予算がついに確定したのですが……結果は、要求額から少し削られる形となりました。決定した金額とその「裏事情」、無人機防衛構想「SHIELD」を解説します。
多層的沿岸防衛体制「SHIELD」とは何か?
まず、この構想の正式名称は「無人アセットによる多層的沿岸防衛体制(SHIELD)」です。 資料には、導入の理由がこう書かれています。
「安価かつ大量のUAV・USV・UUVを活用し、これらの組み合わせによる非対称的かつ多層的な防衛体制の早急な整備が、これまで以上の喫緊の課題」
要約すると、「高い戦車や軍艦だけじゃもう無理。安くて大量に作れるドローンで、敵の高い兵器を消耗させてやろうぜ」という、ウクライナ戦争の教訓をド直球に反映した戦略です。
その本気度は予算に現れています。 なんと令和8年度だけで1,287億円を要求。 しかも、令和9年度中にはこの体制を構築するというスピード感です。あのお役所仕事とは思えない速さです。
ここがすごい! 導入される「無人機軍団」のラインナップ

【陸上自衛隊】「FPVドローン」を公式採用!?
無人機については、他国の軍隊より遅れていると言われていた自衛隊ですが、リストの一番上、「モジュール型UAV」の説明に注目してください。 「近距離で情報収集等を行うためのFPVタイプのUAVを取得」とあります。 FPV(一人称視点)といえば、戦場で敵戦車に突っ込んでいるあのドローンです。資料では「情報収集」となっていますが、この技術を陸自が公式に導入するようです。他にも近距離から遠距離まで、敵艦艇をも攻撃できる、攻撃型ドローンも配備することになります。
【海上自衛隊】海の上もUAVだらけ
まず一番驚いたのがこれです。 「艦艇から発射され、敵艦艇等を攻撃するためのUAV」。

防衛省が公開した、イメージ画像を見ると海上自衛隊の艦艇からドローンを大量に発射して敵艦艇を攻撃することになると思います。他にも小型多用途USVからドローンを発射し、自らも攻撃できる無人機、海中に潜んで情報収集を行う小型多用途UUV(無人潜水艇)も導入するようです。
空自の「対ドローン用ドローン」
個人的に一番「新しい!」と思ったのが、航空自衛隊の「レーダーサイト防衛用UAV」です。 役割は敵UAVからレーダーサイトを防衛するため。 つまり、ミサイルではなく「ドローンで敵のドローンを体当たりして落とす」という、ドッグファイト専用機です。これを重要施設の防御に使う発想はかなり先進的ではないでしょうか。今までは、ドローンによるレーダーサイトや基地などの重要施設への攻撃に対して無防備だった自衛隊が大きく変わる事になります。
なぜ減額された?
単なる予算カットではありません。小泉防衛大臣の説明によると、減額の理由は「要求性能を精緻化して想定する機種を変更し、金額を精査したため」とのことです。当初予定していたドローン(おそらく海外製の高いやつ?)から、もっと安くて性能が見合う別の機種に変えたか、あるいは国産ドローンの採用比率を変えた可能性があります。安くて良いものに変えたから予算が浮いたのであれば、むしろ朗報です。機体数が減らされたわけではなく、SHIELDの体制構築そのものには影響がないと強調されています。
まとめ
来年度から1,000億円分のドローンが自衛隊に納品されることは確定しました。 これまでの実証実験(数億円)レベルとは桁が違います。これは厳しくなる安全保障環境による政府、防衛省の焦りの表れだと思います。



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