こんにちは、パスカルです。先日(12月8日)深夜、青森県東方沖で発生した最大震度6強の地震。夜中の警報に驚いた方も多いと思いますが、実はその裏で、ある「海底の巨大観測網」が活躍していたのをご存知でしょうか。それは「S-net(エスネット)」。「P波(初期微動)が来る前に警報が鳴った」「S-netが優秀すぎる」と称賛されたこのシステム。正体は、千葉から北海道の海底に張り巡らされた総延長約5,700kmの巨大センサー網です。今回は、今回の地震でS-netがいかにして私たちを守ったのか、その驚異のスペックについて解説します。
S-netって何? 日本の海に沈む「150個の目」

S-net(日本海溝海底地震津波観測網)は、東日本大震災の教訓から生まれた国家プロジェクトです。一言で言えば、「地震計と津波計が入ったカプセルを、海底ケーブルで繋いで沈めたもの」。このケーブルの中には、髪の毛ほどの細さの光ファイバーが通っており、光の速さでデータを地上に送っています。

観測点の数: 全部で150カ所。
ケーブルの長さ: 総延長は約5,700km。日本列島を縦断できる長さです。
設置場所: 観測網は次の5つの海域と日本海溝の外側にそれぞれ設置されています。① 房総沖 ② 茨城・福島沖 ③ 宮城・岩手沖 ④ 三陸沖北部 ⑤ 釧路・青森沖 ⑥ 海溝軸外側(アウターライズ)
これまでの地震計は「陸」にしかありませんでしたが、S-netは海溝型地震や直後の津波を直接検知し、迅速で確実にアラートを出すことができます。
今回の地震で何が起きた?
なぜ今回、S-netがこれほど騒がれたのでしょうか。それは「速さ」です。従来のシステムでは、地震波が陸の観測所に届くまで警報を出せませんでした。しかし今回、S-netは震源の真上(海底)で揺れを即座にキャッチ。これにより、最大で30秒近く早く緊急地震速報を出すことが可能になりました。「揺れる前にスマホが鳴った」という人が多かったのは、この海底ケーブルのおかげなのです。
ケーブルが切れても問題なし!
ケーブルはループ状(輪っか)に配置されており、もし海底地滑りで一箇所が切れても、データが「逆回り」して陸に届くよう設計されています。
新幹線との関係

S-netのデータはJRの新幹線早期地震検知システムに直結されており、海で揺れを感知した0.1秒後には、走行中の新幹線に停止命令を出しすことができます。これにより、停止までの時間を最大20秒短縮。また、JR東日本の在来線でもいつか来る首都直下地震に備えて導入されています。
西日本を守る「DONET」と「N-net」

南海トラフ巨大地震に備えて、西日本を守るのが「DONET」と「N-net」です。熊野灘と紀伊水道沖には「DONET」、高知県沖から日向灘に整備されてるのが「N-net」になります。
まとめ
日本は世界屈指の地震大国です。来たるべく巨大地震に備えて、「国、民間」が連携して早期探知や対策を進め、陸や海に世界最大規模、世界一と言っても過言ではない地震観測網を設置しています。私たちに出来るのは、地震が来たときの対策です。非常食や水の備蓄、避難場所の確認など個人でもできることをしておきましょう。
執筆者(パスカル)



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